祝婚歌

今日は晴れ。
剪定した蕾から咲いた黒真珠?。

名前は不明冬のバラ。

新聞に15日亡くなった吉野弘さんの記事を見て、ラジオの追悼番組で聞いた「祝婚歌」を思い出した。早速ネットで調べてみた。
還暦過ぎた夫婦でも身にしみる詩である。
二人が睦まじくいるためには 愚かでいるほうがいい 立派過ぎないほうがいい
立派すぎることは 長持ちしないことだと 気づいているほうがいい
完璧をめざさないほうがいい 完璧なんて不自然なことだとうそぶいているほうがいい
二人のうちどちらかが ふざけているほうがいい ずっこけているほうがいい
互いに非難することがあっても 非難できる資格が自分にあったかどうか
あとで疑わしくなるほうがいい
正しいことを言うときは 少しひかえめにするほうがいい
正しいことを言うときは 相手を傷つけやすいものだと 気づいているほうがいい
立派でありたいとか 正しくありたいとかいう 無理な緊張には色目を使わず
ゆったりゆたかに 光を浴びているほうがいい
健康で風に吹かれながら 生きていることのなつかしさに ふと胸が熱くなる
そんな日があってもいい
そしてなぜ胸が熱くなるのか 黙っていてもふたりには わかるのであってほしい

私は直球型なので、「正しいことを言うときは、少しひかえめにするほうがいい」を
肝に銘じなくちゃいけないと思う。
夫は北川透さんの追悼コメントで最初の詩集「消息」の中の「さよなら」、
二つに割れた皿のかけらが、捨てられる時、軽く触れ合って、さよならと言い合う詩。
割れた皿の痛みにすら心を震わせる優しい詩人に感動したらしい。